fujiken design blog

でざいんをやっていく

人が行動を起こすデザインについて

こんにちは、フジケンです。

「人が行動を起こすためには?」についてまとめました。

人が行動するデザインとは?

人が「行動を起こす」には、 動機実行能力きっかけ の3つがないと行動しません。 これを式に当てはめると

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このいずれかの要素(M, A, T)が欠けていると、人は行動を起こしません。 つまり、

人間は条件を満たさなければ、行動しない

と言えます。 では、人に行動を起こしてもらうにはどうしたらいいのか。 これらの要素を詳しく見ていきましょう。

動機(Motivation)

動機とは、「人が行動を決定する際の心的原因のこと」です。 よく分からないので図にしました。

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快楽の追求(苦しみの回避)

楽しいからアニメを見る、ゲームで相手を倒すのが気持ちいい、など。 その瞬間・時間の居心地がいいから、人はそれを追求して意思決定をします。 反対のことを言うと、「苦しみの回避」とも言えます。 つい衝動買いしてしまうのは、どちらかと言うと「苦しみの回避」が原因かもしれませんね。

希望の追求(恐怖の回避)

良い大学に入るために勉強する、試合で勝ちたいから練習する、など。 将来のこうなってほしい、こうなりたいという気持ちを追求して、人は意思決定をします。 反対のことを言うと、「恐怖の回避」とも言えます。 貯蓄をするのは将来お金がなくなる「恐怖の回避」ともとれますね。

社会からの承認(孤立からの脱出)

いいね!が欲しいからinstagramを頑張る、母親に褒められたいから家事を手伝う、など。 他人から認められたいという気持ちから、人は意思決定をします。 反対のことを言うと、「孤立からの脱出」とも言えます。 僕がこの記事を書いているのも、みんながLIKEしてくれるのを期待して(

意思決定の優先順位

動機は主に3つあると述べましたが、 この動機が複数絡んだときに、人はどっちを優先して意思決定をするか。

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実行能力(Ability)

実行能力とは、「行動するための障壁がどれくらいあるか、ないか」とも言えます。 この行動障壁の難易度を左右する要素は主に6つあります。

  1. 時間 時間がかかるものはやらない、 時間がないから行動することが出来ない、など。

  2. お金 無料のほうがユーザは行動を取りやすく、 高ければ高いほど行動に移しづらい、など。

  3. 身体的な能力 ラーメンが美味しいから毎回九州にランチに行く人はあまりいません。 行動のために身体的な能力を多く必要とすると、人は行動しづらくなります。

  4. ブレインサイクル これは例えば、簡単、集中しなくてもできるなど、 精神的疲労が少ないほど、人は行動しやすくなります。

  5. 日常生 普段からその行為をしている、みんながやっているなど、 継続して行うために努力を必要としない場合は行動をしやすい。

  6. 社会的な逸脱 突然社内で大声で叫ぶなど、 一般的な行動から逸脱している場合は行動しにくい。

めんどくささ > 付加価値

いくら優れた機能を開発したとしても、めんどくさいからやらないという方が多く、 新しい機能を追加するよりも、今ある不満を解消するほうがユーザは求めています。

きっかけ(Trigger)

きっかけとは、「行動を起こすための仕組み」です。 行動を後押しして、実際に行動してもらえるようにするためのきっかけ。

ここではトリガーと呼び、2つのトリガーを見ていきましょう。

外的トリガー

  1. 有償トリガー バナーやCMなど、コストがかかるきっかけ。 短期的に有効だが、既存ユーザのリピートには向かない。

  2. 名声トリガー 有名人によるPRなどを使ったきっかけ。 評価の高い記事を書いてもらうなどもいいが、 一時的に知名度を上げても、短期的な成功で終わってしまうことが多い。

  3. 口コミトリガー 知人・友人からの口コミによるきっかけ。 人は自分が素敵だと思うことを互いに教え合うことを好むので、 爆発的に普及しやすく、プロダクトの成長を促すこともある。 SNSでの露出や、炎上などもこれに含まれる。

  4. 自己トリガー ユーザの生活に埋め込まれたきっかけ。 PUSH通知や、スマホのトップ画面にあるアイコンなどが含まれる。

内的トリガー

ユーザの感情や生活習慣などに埋め込まれたきっかけ。 退屈だからtwitterを見る、写真を取ったからinstagramに上げる、など。 特にネガティブな感情があると強いきっかけを生み出す。

サービス設計の順番

新しいサービス、新機能を設計する際は、

動機がある、実行できる、きっかけが訪れる

という順で考え、施策としては

きっかけを作る、簡単で使いやすくする、モチベーションを育成する

という順で考えると効果が高くなりやすい。

まとめ

この話は主に「行動経済学」から来ていて、 行動経済学はほとんどUXに直結する話が多いのでどんどん知見を共有したいです。 最後にもう一度、

人間は条件を満たさなければ、行動しない

おまけ

  • B=MAT はフォグ式消費者行動モデルと呼ばれています
  • トリガー(きっかけ)に関しては書籍「ハマるしかけ」により詳しく載っています。